博多校ブログ
博多校
2020年7月22日
本日は、日本語教師養成講座を受講して初めて出会うという人が多い「対照言語学」という分野をご紹介します。
日本語学習者が日本語取得の際に乗り越えなければならない壁はいくつもありますが、
その壁は
(1)学習者個人により生じるもの、
(2)学習者の母語が影響して生じるもの、
に分けられます。
養成講座で扱う「対照言語学」では、日本語と特定の他言語を比較することにより、
その国の人たちが日本語学習をするうえで、(2)の項目、つまり どのような形で母国語の影響を受けやすいのかを具体的に学んでいきます。
例えば、日本人が英語を学ぶ際、 r と l の発音に苦しむのは、そもそも日本語にはこの2つの発音を区別する必要が無いことが理由ですね。
逆に日本人に英語を教えている先生がこのことを理解してくれていれば、教わる側としてはありがたいですよね。
それを日本語学習者の方々に対して、具体的に理解していこうとする分野が「対照言語学」になります。
具体的には
ベトナム語では、自分と相手の年齢の差を基準にして、「親族名称」、お兄ちゃん、お姉ちゃん、おばさん、おじいちゃんとか、そういった言葉で他の人のことを呼びます。つまり、自分の家族でない他人であっても、自分から見たら家族のどのメンバーにあてはまるかな?って考えて、お兄ちゃん、お姉ちゃん、おばさん、おじいちゃんなどの親族名称で呼びます。ベトナム人は一旦、仲良くなったりすると、ものすごく親切にしてくれますから、そういった人間的なつながりを大事にしてくれるベトナムの人々の文化が、ベトナム語の人称からも分かります。
また、日本語ではよく省略される人称代名詞である、わたし、あなた、彼・彼女などもベトナム語では省略せずに頻繁に使われます。親しい間柄であるほど、省略されません。
逆にいうと、ベトナム人の日本語学習者の方々は、日本語でも人称代名詞を必要以上に使いすぎる傾向があるということです。このようなことを具体的に知っていれば、実際に日本語を教えれる場面でも役立ちそうですよね。
アルファの理論通信講座では、ベトナム語、中国語、韓国語、英語、・・・など様々な言語と日本語を照らし合わせて、それぞれの国の日本語学習者が直面しやすい壁を広く学ぶことができます。
各国の文化・習慣にもつながる話題が満載です。
養成講座受講の際にはぜひ楽しみながら、受講してくださいね!
アルファ国際学院